大阪・関西万博のベトナム館が30日朝、開幕から約2週間遅れてオープンした。万博会場では他に海外パビリオン3館がまだ開いていない。その一つ、ネパールは「開館のめどは立たない」(日本国際博覧会協会関係者)という。
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ベトナム館は協会側が建物を建てて貸し出す「タイプB」。ベトナム館関係者によると、展示品の補充をめぐる事情で開館が遅れたことから、ベトナム戦争が終結してちょうど50年となる30日を開館日にしたという。
ベトナム館の天井には伝統的な絵画が描かれたランタンがつるされているほか、1千年以上の歴史があるとされる水上人形劇が1日4回上演される。事前予約は不要。
「ベトナムの文化や歴史、過去から現在の魅力が詰まっている。ぜひ来てほしい」とドー・ラン・フォン館長は話した。
開館のニュースを見て訪れたという大阪市の女性(72)は「竹の楽器の生演奏も楽しめたし、館内が色鮮やかできれいだった」と笑顔を見せた。
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インド・ブルネイは「何らかの不備」
一方、協会によると、未開館の海外3館のうち、ネパールのパビリオンは1月から建設工事が止まり、開館のめどが立っていない。
インドとブルネイは最終段階の使用許可の検査まで終えたが、不備があり、協会側が改善を求めているという。いずれも建設工事は完了していることから、「内装や展示品、書類などで何らかの不備があるとみられる」(協会関係者)という。
協会の西崎一正・広報部長は「開館する施設が増えれば、万博の魅力も高まる。協会としてもサポートしていきたい」と話した。